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鋳造シミュレーションシステム ADSTEFAN

Hitachi

ADSTEFANの機能は、プリプロセッサ、ソルバ、ポストプロセッサに大別されます。以下にその概要を説明します。

プリプロセッサ

解析に必要なデータを作成するシステムで、以下の機能から構成されます。

CADデータの入力

3次元CADデータ(STL 形式)を本システムにインポートすることにより、直接FDM(直交差分)メッシュを自動的に作成する機能で、形状データの入力作業を大幅に効率化すると共に、メッシュ分割を簡単にかつ高速で自動的に行うことができます。

STLデータの自動修正(高精度自動修復機能)

3次元CADデータ(STL 形式)の品質が悪く、STLデータの欠損や面反転がある場合、自動生成されたメッシュには欠陥、不連続性などがあり、そのままではシミュレーションに適しません。その為、人手に頼っていた欠陥の修正が、Ver.11からは高精度なメッシュ自動修復機能を導入し、形状の再現性を大幅に高めました。これにより、メッシュ生成と修復に費やしていた時間を、大幅に短縮することができます。

初期条件、解析条件の設定

約140種類以上の材料に対応した物性値が準備されており、鋳物、鋳型などの材料を選択するだけで物性値(初期値)が自動設定されます。新しい材料の物性値も登録可能であり、設定した数値の修正も可能です。温度依存物性値(潜熱放出パターン、動粘性係数他)などの設定も可能です。

初期条件、解析条件のデータベースへの保存

初期値として登録したデータは、ユーザーデータベースに登録可能であり、再度シミュレーションに活用出来ます。

解析ソルバ

ADSTEFANは、高速解析を特長とする多彩な解析プログラムから構成されています。これらのソルバは、32ビット版/64ビット版及び並列計算版があり、更に高速な解析により解析時間の短縮化が図れます。

対応可能な鋳造方案

低圧・高圧ダイカスト、チクソモールド、重力鋳造、砂型鋳造、傾斜鋳造、遠心鋳造、連続鋳造、ESR(エレクトロスラグ再溶解法)、消失模型法(擬似法)、精密鋳造(ロストワックス)、熱処理など各種鋳造プロセスに対してシミュレーションが可能です。

評価可能な欠陥と方案最適化

  • 湯回り不良、湯境欠陥、湯じわ欠陥、酸化物巻き込み、空気の巻き込み、ガスポロシティ
  • 引け巣、ざく巣、破断チル層、ホットスポット
  • 焼き付き、熱変形、割れ
  • オーバフロー・冷却管配置の最適化、押湯位置と大きさの最適化、ランナー形状の最適化、ゲート位置・形状の最適化
  • 鋳込み速度・鋳込み温度・型温度の検討
  • 鋳造タクトの検討・最適化

多彩な解析ソルバ

各種の鋳造方案に対し、下表の様に解析ソルバが対応しています。

鋳造方案 ダイカスト 重力鋳造 特殊鋳造*1 後処理
解析ソルバ 高圧鋳造 低圧鋳造 スクイズ 砂型鋳造 金型鋳造
湯流れ解析 基本 -
表面張力考慮 -
背圧考慮 -
スリーブ内解析 - - - - -
凝固解析 基本 -
引け巣形状解析 -
金型解析 金型温度解析 - - - -
CSM金型温度解析 - - - -
熱解析 熱処理解析 - - - - - -
熱応力解析 - - - - - -
*1
特殊鋳造:傾斜鋳造/遠心鋳造/精密鋳造/消失模型鋳造/連続鋳造/エレクトロスラグ再溶解法(ESR)に対応します。
○:Basicにて対応、◎:オプションにて対応します。

各ソルバの解析結果の出力内容

各解析ソルバにより、下記の各種解析結果が出力され、ポストプロセッサにより表示出来ます。

湯流れ解析
  1. 溶湯の充填推移(充填率分布、空気の巻き込みマーカ、溶湯/空気の流れベクトル、流れの軌跡、空気分布、圧力、渦度、溶湯通過量)
  2. 温度分布(溶湯・鋳型の温度分布、流入溶湯の初期温度、鋳型表面の最高加熱温度)
  3. 充填終了時間、空気との接触時間
  4. 測定点グラフ表示(鋳物・鋳型の温度、圧力、充填率、流速)
凝固解析
  1. 引け巣欠陥(凝固進行状況、新山パラメータ、欠陥の形と大きさ)
  2. 温度分布(鋳物・鋳型の温度分布、温度勾配、鋳型の表面温度)
  3. 凝固時間(凝固開始/終了時間、流動限界固相率通過時間)
  4. 冷却速度、チル予測、デンドライト(DAS-U)枝間々隔推定
  5. 測定点グラフ表示(鋳物・鋳型の温度)
金型温度解析
  1. 温度分布(鋳物・鋳型の温度分布、温度勾配、鋳型の表面温度)
  2. 凝固進行状況、新山パラメータ、冷却速度
  3. 凝固時間(凝固開始/終了時間、流動限界固相率通過時間)
  4. 測定点グラフ表示(鋳物・鋳型の温度)
熱応力解析
  1. 応力(主応力、ミーゼス応力)
  2. 変位量
凝固組織予測
  1. 凝固組織(柱状晶、等軸晶)分布
  2. 凝固進行状況
連続鋳造
  1. 凝固進行状況
  2. 鋳物・鋳型の温度分布、グラフ(温度)
ESR(エレクトロスラグ再溶解法)
  1. 凝固進行状況、冷却速度、新山パラメータ
  2. 鋳物・鋳型の温度分布、グラフ(温度)、温度勾配
熱処理解析 鋳物の温度分布、計測点グラフ(温度)

ポストプロセッサ

解析結果を3次元グラフィックスで立体的に表示する他、断面表示やスケーリング値の設定により表示方法や表示範囲の強調表示など、結果の確認や評価が容易に行えます。

  • 湯流れ解析結果表示:温度、充填率、速度、流量、渦度、巻き込み空気体積、残留空気比率他
  • 凝固解析結果表示:固相率分布、温度勾配、修正温度勾配、鋳物温度、鋳型温度、冷却速度、健全度他
  • 各種表示方法:マーカ表示、ベクトル表示、等高線表示、グラフ表示、溶湯体積表示
  • アニメーションファイル作成

例1 スリーブ内の残存空気状況表示
クリックすると、動画をご覧いただけます。

例2 凝固解析での引け巣予測(健全度)
クリックすると、動画をご覧いただけます。

例3 鋳型温度の複数断面表示
鋳型温度の複数断面表示